リーリエ一家の再会に全アローラが泣いた【モーンとリーリエ、雪原の再会】


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モーンとリーリエ、雪原の再会 感想

脚本:松井亜弥
演出:牧野吉高
作画監督:伊藤京子、山崎玲愛、倉員千晶

 

 

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リーリエ一家は遂に再会!

みなさんアローラ〜。ライターのりょーしです。

本記事は新無印第111話「モーンとリーリエ、雪原の再開」の感想記事になります。

みなさんご存知の通り、この回でリーリエ一家は再会を果たすことができました。

しかしこの回の最も重要なことは再会そのものではなく、ウツロイドが家族に加わったことです。なぜならこのウツロイドは、リーリエ一家4人それぞれのストーリーにおける重要人物となったからです。

というわけで、リーリエ一家4人それぞれのストーリーがどのように雪原の再会に至っているのかを綴ってみたいと思います。

少々長くなりますが、最後にはおたすけ評価もあるので乞うご期待。

 

余談ですが、本記事内ではリーリエ達家族のことを「リーリエ一家」と呼びます。ポケモンマスターズのイベントで使われた用語です。素晴らしいイベントだったので、興味のある方は本ブログにあるスクショまとめも合わせてどうぞ。

https://otsk-anipoke.com/entry/2018/11/05/154800

 

モーンのストーリー

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雪原の再会はかつての事故でいなくなったモーンを見つける話ですが、彼はただ見つけられるだけの存在ではありません。サンムーンから語られてきた彼のキャラクターがあってこその、モーン自身のストーリーがあるのです。

 

モーンはとても魅力的な人間だった

サンムーンでは回想の中でしか登場しなかったモーンですが、彼をよく知るザオボー、ハラ、ルザミーネは皆モーンの魅力的な人物像を語ります。

 

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モーン博士は素晴らしい科学者。類まれなる才能とリーダーシップで、我々研究チームを導いてくださっていました。(116話)

モーンと共に研究をしていたザオボーは、科学者としての、そして上司としてのモーンを強く尊敬しています。

ザオボーは同僚のバーネット博士が研究成果を上げることに嫉妬するような小さい男ですが、モーンはそんなザオボーからも信頼を得られる大きな存在だったのです。

 


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モーン君にこのZリングを渡した時のことはよーく覚えておりますぞ。冷静沈着、的確な指示、だが、ここぞという時には熱いバトルをする男でしたな。(116話)

しまキングのハラは、ポケモントレーナーとしてのモーンに好印象を抱いています。モーンが実は生きていると聞けば、戻ったら祝いの宴を開きましょうと即座に提案し、新無印では実際にその宴の様子が描かれました。

 

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モーンは情熱家で、研究者としても父親としても、夫としても尊敬できるステキな人よ。おとぎ話を信じるような夢見がちな面も持ち合わせていて。(116話)

ルザミーネは同僚として、そして家族としてモーンを愛しています。

モーンが信じたおとぎ話がどんなものかは明言されていませんが、なんとなくマギアナに関する伝承とかはまっすぐに信じて研究材料にしていそうです。

 


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グラジオがモーンに頭を撫でてもらったことをよく覚えていたり、赤ちゃんリーリエへのプレゼントとしてマギアナを目覚めさせようと研究したり、随所で語られる家族を大切にする様にルザミーネもステキな父親像を見ていたのでしょう。

 

モーンの家族愛があってこその再会


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そんなモーンがウルトラホールの向こうの世界からこちら側の世界に戻ってこれたのは、ウツロイドがモーンを運んでくれたからでした。

なぜそんなことをしたのかというと、ウツロイドがモーンが持つ家族への思いを感じ取ったからです。

 

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ウツロイドがなぜリーリエになりたかったのかは分からない。ただ、ここでの生活は幸せだったんだろう。

モーンの思いを感じ取ったウツロイドは、グラジオのセリフからもわかる通り、リーリエになりたいと望んだのです。どのような考えがあったのかは分かりませんが、モーンの家族を大切にする気持ちがあったからこそ、ウツロイドの行動を引き出したのです。

 


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更にカンムリ雪原に来てから再開までの間、モーンは自分の娘として共に暮らしたウツロイドに、幸せな日々を与え続けました。

 

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だからこそ再会の時、ウツロイドはリーリエ一家に迎え入れられることを承諾したのです。

このウツロイドを通して、モーンの家族を大切にするキャラクターが再会のストーリーに繋がっているわけですね。モーンのストーリーとしては家族との再会でピリオドが打たれたのです。

 

 

リーリエのストーリー

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一家のお姫様、リーリエについてです。テーマとしては、ウツロイドとの因縁、強くなること、の2つです。グラジオと同じようで全く異なる2つの軸によって、リーリエのストーリーは作られます。

 

リーリエは絶望的な状況に追いやられた

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リーリエとウツロイドの因縁としては、やはりトラウマを植え付けられたことが主です。

 

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「わたくし、学びの対象としてポケモンが大好きで!」SM4話モクロー登場!アローラでポケモンゲットだぜ!!(リーリエ)

 

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「リーリエは本当にポケモンが好きなんだなあ」SM8話タマゴ係はだ〜れだ?(サトシ)

 

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「あんなにポケモンが好きなんだもん。リーリエにもポケモンと楽しく過ごしてほしいじゃない」SM14話勇気の結晶、リーリエとロコン!(マオ)

自他共に認めるポケモン大好き少女のリーリエですが、ウツロイドに襲われてからの4年間、ポケモンに触れることができなくなりました。

 

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しかもザオボーのスリーパーが記憶を消したことで、リーリエは大好きなポケモンに触れない理由が全くわからないまま苦しみ続けることになったのです。

 

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アニメで描かれたリーリエはサトシとシロンに出会って少しずつポケモンに触れるようになっていきましたが、そこに至るまでに4年もかかっています。

 

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「触れるようになったのか、またポケモンに」27話出でよ!紅き眼差しルガルガン!!(グラジオ)

自分がリーリエを守ると決めて旅に出たグラジオは、そんなリーリエがシロンと触れ合う様子を見て驚いていました。

それほどリーリエの4年間は長い立ち往生の時期であり、サトシとシロンに出会って以降の成長具合は劇的なものだったことがわかります。

 

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つまりリーリエから見ればUBは、好きという気持ちでも簡単には跳ね返せない程の強いトラウマを植え付けられ、原因すらわからない絶望的な状態に陥れられた相手なのです。

 

リーリエはどこか後ろ向きだった

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次は強くなるということについてです。リーリエがマギアナを動かすためにお世話をすると提案した時、グラジオは「お前、本当に強くなったな」と言っていました。

このセリフの真意は、前向きな行動ができるようになった、ということだと思います。

というわけで、リーリエが強くなったと言われるまでの変化を追ってみます。

 

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前述の通り、ウツロイドに襲われてからサトシとシロンに出会うまでの4年間は、リーリエが立ち往生していた時期です。

 

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「普段はポケモンを(家の中に)入れておりませんので」「私が驚いてしまうから…」「その代わり、離れた場所から観察できるように、中庭にポケモン達の遊び場を作ってもらったんです」SM8話タマゴ係はだ〜れだ?(リーリエ)

 


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「勉強してるわねリーリエ、ポケモンスクールに入れてよかったわ〜」「お母さまが入れたんじゃなくて、わたくしが入りたいって言ったの!」SM44話サトシとほしぐも!不思議な出会い!!(ルザミーネ、リーリエ)

立ち往生の間にやったことしては、遊び場作りとポケモンスクールに入ることが語られました。

しかし遊び場を作ったのは観察のためであり、触れるようになるための解決策ではありませんでした。

 


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「論理的結論として、私がその気になりさえすれば触れるはずです!」「でもこのスクールに来てから触れたことない…」SM8話タマゴ係はだ〜れだ?(リーリエ、スイレン)

リーリエがポケモンスクールに入った時期は分かりませんが、スクールに入ったことは触れるようになることと繋がっていませんでした

どちらかというと勉強がしたいから入ったような感じでしょうか。

 

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「あのね、シロン。私小さい時からポケモンが好きなのに、どうしても触ることができなくて、自分でもどうしていいか分らないの。でもね、このままじゃいけないって思ってる。このままじゃいけないって」SM14話勇気の結晶、リーリエとロコン!(リーリエ)

シロンへのセリフから、リーリエにも意思はあるのに行動はできなかったという実情がわかります。

 

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その後サトシ、シロン、そしてシルヴァディのおかげでポケモンに触れるようになりましたが、意思はあっても行動ができないという根っこの部分はもう一度出てきました。

それはルザミーネを助けるべく、リーリエがグラジオと一緒に日輪の祭壇へ向かうシーンです。

 

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「お兄さまは何でも知ってらっしゃるのですね。私は何も知らない。いえ、忘れていました。そして今も、何も役に立ててない。私は足でまといなのでしょうか…」SM51話がんばリーリエ!決意の家出!!(リーリエ)

ルザミーネを助けたいという意志を持ってグラジオに着いてきたけれど、そんな自分の行動に迷いを見せています。

 

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「だったらここに残るのか?」「…いいえ」「それなら前を見て進むんだ。戻った所で何も変わらないし、変えられない。母さんだって戻らない」SM51話がんばリーリエ!決意の家出!!(グラジオ、リーリエ)

そんなリーリエにグラジオはこう言います。この時点までのリーリエは、自力で何かを変えることが難しい、前を向いて行動することが難しいと、グラジオの視点からは見えているのです。

 

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「お母さまのその、大変な目にあってもなお前向きに進むところ、大好きです!」SM55話ありがとうソルガレオ!俺たちのほしぐも!!(リーリエ)

ウルトラガーディアンズを結成したルザミーネに対するリーリエのこのセリフも、グラジオに言われたことを踏襲しています。リーリエからするとサトシもグラジオも、そしてルザミーネも、見習いたい相手というわけですね。

 

リーリエが得た”強さ”とは

それからしばらく経った後、グラジオがリーリエを強いと認めるシーンが2回出てきました。

1つ目はカプ・レヒレを呼び出して故人(ってことになっている)のモーンに合わせてもらおうとするグラジオに、リーリエが協力を申し出るシーンです。

 

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「カプ・レヒレを呼び出すためにここでポケモン達を鍛えている。俺とシルヴァディ達の絆をカプ・レヒレに見せればきっと応えてくれると思うんだ。」「応えてもらいましょう!カプ・レヒレに!私がバトルのお相手を務めます!」「お前が?.......フッ、強いな。」SM105話ルガルガン決戦!サトシVSグラジオ!!(グラジオ、リーリエ)

父親に会いたいという気持ちを共有したらすぐにリーリエが協力すると言ったことは、グラジオからすると少し意外な反応だったようです。なぜなら、これこそまさに、かつてのリーリエにはできなかった意志を貫く前向きな行動だったからです。

 

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その少し前、リーリエは野生のサンド達と一緒に、彼らの住処を荒らすバンギラスとバトルしたことがありました。

その場に立ち会った時は「どうすれば...」と少し戸惑っていたリーリエでしたが、、

 

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「私、やってみます!放っておくわけにもいきませんから!シロン!サンド!ダブルバトルをお願いします!」SM80話サンドの嵐!氷穴のダブルバトル!!(リーリエ)

すぐさま戦う意志を見せ、サンド達に協力を申し出ました。そしてそれまで見てきたサトシのバトルを参考にしながら、無事バンギラスを撃退。この時にはすでに、リーリエは目的のためなら強敵にも臆せず立ち向かえるようになっているのです。

 

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そんなことがあったとはつゆ知らずのグラジオからしてみれば、かつては意志があっても行動に移れなかった妹がノータイムでバトルを提案するようになっていたことは、かなりの変わりようなのです。

 

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2つ目は、実はもう既に書いています。マギアナを動かすためにお世話をすると提案したリーリエに、グラジオが「お前、本当に強くなったな」と言ったシーンです。

そしてこのセリフの真意は、前向きな行動ができるようになった、ということだと思いますとも僕は書きましたね。

ここまでの流れを追い、更にグラジオの視点から見るとそれは一目瞭然でしょう。

 

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「私が何をしても動かないままかもしれません。でもなんとか動かしてあげたいのです。お父様がそうしたかったように」SM116話リーリエと秘密の機巧姫!(リーリエ)

モーンがリーリエのためにと研究を重ねても動かなかったマギアナを動かそうだなんて、そう簡単なことではありません。

それでもリーリエは、かつて父親が自分に注いでくれた愛情を受け止めるために行動を起こしたのです。

これこそ、グラジオとは待ったく違う形でリーリエが得た、強くなるという成長です。

 

リーリエはもう因縁の相手に対しても前を向ける

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ウツロイドとの因縁、前向きに行動する強さ、リーリエはこの2つを持って雪原の再開に成長の完成形を見せました。

それがかつての因縁の相手に躊躇い無く歩み寄るという行動です。

 


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モーンの記憶が戻り、もうカンムリ雪原での幸せな生活ができなくなったと悟って1人去ろうとしたウツロイド。

そんなウツロイドに対してリーリエは、父を助けてくれたことを感謝し、一緒にいたいと意志を持って引き留めたのです。

リーリエは過去にウツロイドのせいで絶望的な状況に追いやられ、そのトラウマから今も苦手意識があってもおかしくないはずです。

それでもリーリエは即座にウツロイドを引き留めました。それが他のUBでは無くウツロイドであることによって、リーリエは因縁を完全に乗り越えていることが証明されたと言えるのです。

 

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前を向いて進めと言ったグラジオでもなく、大変な目にあってもなお前向きに進んだルザミーネでもなく、ここまで強さを積み重ねてきたリーリエがこの1歩目を踏み出したことにこそ、成長のストーリーが詰まっているのです。

 

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「こうして、モーン、ルザミーネ、グラジオとリーリエの家族は、再び1つとなり、新たな未来へと歩み始めたのだった。」To Be Continued

モーンがいなくなったことで残された3人は大変な目に遭うことになったけど、モーンのおかげで3人のストーリーが終わったんだよなぁ。。

モーンがいなくならなければ4人はずっと幸せだったかもしれないけど、モーンのおかげでウツロイドという家族が増えたんだよなぁ。。

家族全員、マジでめちゃくちゃ幸せになってくれ。。

 

おたすけ評価

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モーンとリーリエ、雪原の再会:★★★★★★★★★★

個人評価:★★★★★★★★★★
おたすけ評価星マックス!

  • 過去キャラ回の評価基準
  1. 起承転結・主役の活躍度
  2. キャラクター
  3. ファンサービス
  4. ストーリー
  5. 展開
  6. 演出
  7. 作画
  8. その他

上記の内幾つかの項目を満たしている。またはどれかに特化しているか。
赤文字がプラスポイント青文字がマイナスポイントです
また上記の項目は上から重要な物になっていくがこれは人の好みによって評価が変わるためあくまでもおたすけの評価として見てください。

 

キャラクター


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リーリエとグラジオの掘り下げに加点です。

この2人はサンムーンの中で、各々違った形の成長を積み重ねました。

この回で2人が見せたウツロイドへの行動・態度は、彼らの成長具合の掘り下げです。

グラジオはUBとの因縁が、リーリエは加えて強くなることが掘り下げられている、となります。

成長の加点としてはファンサービスで入ります。

 

ファンサービス

上記の掘り下げと成長に加えて、リスペクトに加点です。

リスペクトについては、やはりシリーズを跨いでこの回を作ったという点がドデカいです。

 

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仮にモーンがカンムリ雪原ではなくアローラ地方のポケリゾートとかにいたら長旅の苦労感という演出が減ります。

かといって、サンムーンの放送中にリーリエが他地方への長旅でいなくなる展開も現実的ではありません。

 

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サンムーンの最終回はみんな夢に向かって歩き出しましたエンドなので、リーリエも足並みを合わせる形で、旅に出ることでストーリー終了でも本来問題では無いのです。

 

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にも関わらず、家族4人分のストーリーを完璧に締める回がシリーズを越えて作られました。

4人のキャラクターに対するリスペクトは、もはやこの回の根幹とも言えるでしょう。

 

ストーリー

シリーズを跨いでリーリエ一家が紡いできたストーリーで1つ、この回の話の構成で1つ、ドラマ性に加点です。

 

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たくさん書いてきましたが、この回でリーリエ一家が再開し、ウツロイドを家族に迎えいれたことによって、4人分のストーリーが締められました。

モーンは家族愛が実を結び、ルザミーネは家族愛とUBへの憧れが報われ、グラジオはUBとの因縁と家族になる成長を見せ、リーリエはUBとの因縁を断ち切れる程に強くなったことを証明しました。

それぞれが積み上げてきたモノがとてもとても長い時間を経て上手く絡み合っているという点でドラマ性が強いです。

 

 

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そしてこの回1つに限っても、モーンの発見だけに収まらず、記憶を取り戻して本当の再会を遂げ、更に新しい家族を迎え入れるという+‪αの展開まで用意されていました。

モーンが記憶喪失と分かってから記憶が戻るまで、丁寧にヒントを集めながらも間延びしないストーリーの起承転結が描かれています

 

展開

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これもたくさん書いてきましたが、ウツロイドを家族として迎え入れるという展開は神の加点ポイントです。

リーリエが躊躇い無くウツロイドに歩みよったことがリーリエの成長の、ルザミーネとグラジオがウツロイドと家族になることに即賛成したことがUBとの因縁の、それぞれの着地点として最適解と言うほか無い展開のさせ方です。

 

演出

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特に3つのシーンで、表現に加点です。

まず1つ、モーンが記憶を取り戻してルザミーネが涙を流すシーン心情表現です。

名前を呼ばれて再会をやっと実感できたでしょう。モーンいなくなった時のショックやその後の苦労、そして再会の喜び等、色々な感情と共に涙がこみ上がったのでしょう。感情移入を促す感動演出です。

 


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流石は気合いの入った泣きのシーンに定評がある家族のお母さまである。

 

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そして2つ、顔と呼べる部分が無いウツロイドをリーリエに見立てる演出ついて、これまた深い心情描写です。

 


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リーリエとウツロイドがデザイン的にどこか似ていることはみなさん共通の感覚と思いますが、似ていることに合理的な理由はありません。

原作のゲームではルザミーネがウツロイドを愛するが故に娘にも似たような恰好をさせているという(確度はそれなりの)考察がありますが、少なくともアニメにはそういった描写はゼロです。

 

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そんな中、みんな似てると思っていることを前提とすることで、顔の無いウツロイドに表情を与えるという演出を成り立たせています。しかしリーリエの顔で笑うだけで普段のウツロイドまで可愛く見えてくるからずるい。

 


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最後3つ目、ウツロイドを家族に迎え入れるシーンの光が指す演出です。

窓の汚れが剥がれ落ち、ゆっくりと光が差し込んで、暗かった部屋の中が明るくなっていきます。

リーリエ達のこれまでの苦労とこれからの幸せか、ウツロイドのこれまでの偽りの幸せとこれからの真の幸せか、はたまた両方か、「暗い」から「明るい」への変化はこの回によって変わったことと繋がりやすいです。

シンプルに綺麗なこともあり、この感動シーンに相応しい演出と言えるでしょう。

 

作画

最後に2シーン、作画の加点が入ります。

 

 

ピカチュウの神アクションシーンにたまらず加点です。このモーションのかっこよさ、。

そしてもう1つ、リーリエとウツロイドが笑いあうシーンです。

 


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「2人のリーリエ、ですね」

美少女を綺麗に描くことに命かけてる人でもいるんでしょうか。

表情と体の動きの細かさに気合を感じます。

全体的に絵も綺麗だったので、美観で加点が入りました。

 

最後のまとめ

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現行シリーズのレギュラーでもないのにこんな神回が生み出されるあたり、リーリエって凄いキャラですよね。

リスペクト満載で本当に感動できる最高の回に感謝してもしきれません。。

 

サンムーンを愛する僕はこれで無事成仏することができます。みなさん今までありがとうございました。(記事はまだまだ書いていくので次回もよろしくお願いします。)

 

ライター:りょーし